猫問題 楽しみながら学ぶ 奄美市
2018年12月16日
奄美の猫問題について楽しみながら学ぶイベント「ニャンともフェスティバル」が15日、奄美市名瀬のAiAiひろばで開かれた。各団体・行政のパネル展示や大島高校放送部のドキュメンタリー上映などがあり、会場一体で猫の適正飼育と野生生物の保護について考えた。高校生と専門家によるトークセッションでは、「自分の問題として一人一人ができることをしていこう」「正しい情報の発信が必要」などの意見が出た。
イベントは奄美ネコ問題ネットワーク(ACN)主催。トークセッションは、あまみエフエムの渡陽子さんを司会に、ACNの久野優子代表、奄美ねこ対策協議会の平田博行会長、NPO法人どうぶつたちの病院沖縄の長嶺隆理事長、NPO法人徳之島虹の会の美延陸美事務局長、WWFジャパンの権田雅之さんと、猫問題ドキュメンタリーを作成した大高放送部1年生の八下田門土さん、米田海翔さんが語り合った。
トークは大人たちが高校生の声に答える形で進行。「被害が広がるまでに対応できなかったのか」「ネット上で誤解に基づいたバッシングがあり悲しかった」という意見に対し「2007年から調査や条例の制定を進め、今年から10年計画の本格的なノネコ対策が始まった」「島外への正しい情報発信とともに、住民自身が関心を持つことが大切」などの返答があった。
奄美の猫問題の啓発や傷ついた猫たちの保護活動などに取り組み、自身も愛猫家の久野代表は「猫は安全な家の中でこそ幸せに生きられる。島全体を良くするために、住民みんなが奄美の猫問題に向き合って行動してほしい」と訴えた。
寸劇やクイズコーナー、工作体験もあり、会場は親子連れや児童生徒らでにぎわった。訪れた高校生からは「遠い出来事だと思っていたが自分たちの問題だと実感した」「生まれ育った島について、好きだからこそもっと知って行動しないといけないと思った」という声が聞かれた。
奄美大島5市町村は17日から各自治体ホームページ上で、島内外から寄せられた猫問題に関する質問への回答を掲載する。