生息10匹以下に低下 18年度マングース防除事業
2019年09月30日
環境省は26日、奄美大島で進める特定外来生物マングースの防除事業について、2018年度実績を発表した。捕獲数は前年度の10匹から1匹のみとなり、過去最少を更新。「継続的にマングースが減少している」として、推定生息数をこれまでの50匹以下から10匹以下に引き下げた。同省は目標に掲げる同島からの22年度の完全排除へ「大きく前進した」と手応えを示した。
同島のマングースは1979年、ハブやネズミの駆除を目的に奄美市名瀬で約30匹が放され、急速に分布域を拡大。アマミノクロウサギなどの在来生物を捕食して生態系に深刻な影響を及ぼした。
環境省は2000年度に本格的な駆除に着手。05年度から捕獲を担うマングースバスターズを配置して外来生物法に基づく防除事業を進めている。
18年度実績では、捕獲された1匹は奄美市名瀬小湊でわなによるものだった。探索犬による捕獲はない。17年度に捕獲があった大和村嶺山、同村中山での捕獲はなく、島内424地点に設置した自動撮影カメラでマングースは確認されていない。同省は「局所的に残存しているマングースの低密度化が進んだ」と分析した。
ピーク時に約1万匹に増えた推定生息数は、17年度末の50匹以下からさらに引き下げた。
19年度はこれまでの捕獲数やモニタリング調査などのデータを基に、根絶を確認する手法の検討を進める。