希少種捕獲疑いで男2人逮捕 アマミイシカワガエルなど28匹
2019年04月09日
奄美大島に生息するアマミイシカワガエルなど希少種を無断で捕獲したなどとして、県警と警視庁は8日までに、種の保存法違反などの疑いで東京都中野区中野、ペットショップ店長天野利光容疑者(50)と、東京都練馬区石神井町、フリーライター園部友康容疑者(42)を逮捕した。県警によると、県内で生きた希少動物の違法な捕獲に絡む摘発は、記録が残る2003年以降で初めてだという。(9面に関連記事)
逮捕容疑は2018年7月17、18の両日、宇検村の村道湯湾大棚線などでアマミイシカワガエル2匹、オットンガエル2匹、アマミハナサキガエル10匹を捕獲するなどした疑い。
県警生活環境課によると、同月19日、奄美空港(奄美市笠利町)の職員が2人のキャリーバッグに動物が入っていることに気付き、警察に通報。有識者を交えた鑑定の結果、事件が発覚した。
アマミイシカワガエルとオットンガエルは種の保存法の対象種で、アマミハナサキガエルは奄美大島5市町村の希少野生動植物保護条例の対象。いずれも県指定の天然記念物で、捕獲は禁じられている。
2人は「飼育目的で獲った」と、容疑をおおむね認めている。園部容疑者は「種の保存法の対象だとは知らなかった」とも話しているという。園部容疑者は「奥山風太郎」のペンネームで、カエルや昆虫に関する著書を出している。
キャリーバッグからは、ほかに、保管が禁じられているトカラハブ(動物愛護法対象特定動物)9匹、ムラサキオカヤドカリ(文化財保護法対象種、国指定天然記念物)5匹も見つかっており、警察は営利目的(販売)の可能性も視野に調べる方針。
県内での違法な野生動植物の捕獲、採取を巡っては、11年2月、徳之島町内の国有林で県指定希少種のフウランなどを無断で採取したとして、鹿児島県と宮崎県の男2人が逮捕された。