「イプシロン」奄美でも写真家ら撮影

2018年01月19日

地域

奄美市名瀬で撮影されたイプシロン3号機の光や航跡(上から吉行さん、村田さん、原さん撮影)

奄美市名瀬で撮影されたイプシロン3号機の光や航跡(上から吉行さん、村田さん、原さん撮影)

 小型固体燃料ロケット「イプシロン」3号機が打ち上げられた18日早朝、奄美大島北部でも空高く飛び立つロケットの光が確認された。夜明け前の空を飛ぶロケットの航跡を撮影した住民や写真家もおり、南海日日新聞にも撮影の感想や写真が寄せられた。

 

 奄美市名瀬の写真家、吉行秀和さん(59)は午前6時16分ごろ、自宅前で、ほうき星のようなロケットの光を撮影。約20分後には、「ロケット雲」と呼ばれる光跡も捉えた。「これまで、種子島から打ち上げられたロケットの光を撮影したことがあったが、今回は県本土での打ち上げで距離も遠く、期待していなかった」と話し、思いがけない幸運を喜んだ。

 

 同じく同市名瀬の写真家、村田昭敏さん(67)は、奄美文化センター近くの防波堤にカメラを設置。午前6時7分ごろに空高く上っていくイプシロンの光を確認し、夢中でシャッターを切った。「名瀬港の上空を、大きなパラシュートを広げたように南の方向に飛ぶ様子は彗星のようだった」と振り返った。

 

 県立大島高校教頭の原憲一さん(52)は、出勤途中に空高く上っていくロケット雲を見つけ、学校に到着後の午前6時40分ごろ、校舎の2階からスマートフォンで撮影。「ロケット雲が安勝山の上を天に向かって登っていく竜の姿に見えた。写真を撮りながら、受験生全員の合格を祈願した」と話した。

 

 イプシロンは、日本がこれまでに培った固体燃料の技術を継承しつつ、小型衛星を低コストで頻繁に打ち上げるために開発されたロケット。打ち上げは3回連続で成功しており、今回は観測衛星「ASNARO(アスナロ)2」を搭載し、午前6時すぎに打ち上げられた。