「ユースエール」に全国初認定/徳之島うみかぜ総合法務事務所
2018年08月30日
地域
若者の採用と育成に積極的で雇用管理状況が優れた中小企業に贈られる「ユースエール認定」に司法書士うみかぜ総合法務事務所(徳之島町亀津)が29日付で選出された。司法書士事務所の認定は全国初で、県内でも離島企業は初の選出。同事務所の柏村考兵所長(42)は「試行錯誤で労働環境改善に取り組んできたがお墨付きをもらって自信が出た」と認定を喜んだ。
ユースエール認定は若者雇用促進法に基づき厚生労働大臣が認定する。▽若者の採用や人材育成に積極的▽従業員の月平均の残業時間が20時間以下▽有給休暇取得率が平均70%以上―など18項目の条件を全てクリアした企業が認定される。
うみかぜ総合法務事務所は2009年に創設。司法書士の柏村所長以下10人が勤務する。柏村所長は福岡県出身。指宿市の法務事務所で働いていたが、司法過疎地域と言われていた徳之島を新天地に選んだ。法的手続きを担う立場として「まずはこの事務所から」をスローガンに掲げ、残業ゼロ、有給取得百パーセントを達成した。
柏村所長は「限られた時間で効率よく業務をこなす必要があるほか、従業員の能力差もあり調整は簡単ではなかった」と苦労した点を挙げ、「管理側と従業員が両輪となって取り組むことが大切。女性も多い職場なので育児休暇も取れるようこれからも改善を進めたい」と話した。
認定は県内では16社目。鹿児島県の16社は九州、沖縄では最多となっている。鹿児島労働局は「容易ではない基準をクリアできたのは企業努力のたまもの。局としても離島からの選出は待ち望んでいた。県内によい影響が広がってほしい」と期待した。
うみかぜ総合法務事務所では不動産登記や裁判書類作成など司法書士業務のほか、社労士、行政書士の業務も取り扱っている。柏村所長は「正直なところ現在は人手不足。徳之島で働きながら法律関係の仕事を目指したい人はぜひ見学にきてほしい」と語った。同事務所の連絡先は電話0997(82)0063。