奄美分室移転記念式・講演会開催 鹿大・国際島嶼教育研究センター
2019年06月02日
地域
鹿児島大学の国際島嶼教育研究センター奄美分室は1日、奄美市名瀬の集宴会施設で移転記念式と講演会を開いた。奄美大島内を中心に地域住民や教育関係者ら約70人が出席。奄美群島の持つ価値と魅力を掘り起こす教育・研究拠点施設の新たな門出を祝った。
奄美分室は奄美の自然や文化を含む総合的な調査、研究を進め、地域との共同研究・事業を展開するため2015年に開設した。分室があった名瀬柳町の旧奄美市水道課庁舎解体に伴い、4月に名瀬港町の本場奄美大島紬会館6階に移転した。
同大の佐野輝学長は式で「地球規模の視野で考え、地域視点で行動するグローカルの視点で研究を推進し、地域貢献に励みたい」とあいさつ。朝山毅奄美市長は「(奄美分室による)研究活動は、大学の存在しない奄美にとって大変有意義」と期待を寄せた。
講演では同大の高宮広土教授が約1万年前まで続いた旧石器時代に人が住んでいた奄美・沖縄の特殊性などを語り、奄美群島を世界でも珍しい歴史を持つ「奇跡の島々」と表現した。
同大の藤井琢磨特任助教と鈴木真理子研究員、鈴木英治特任教授の3人が、生物多様性や国の特別天然記念物アマミノクロウサギ、薩南諸島の植物相などについて研究・活動報告も行った。
式典前には分室の見学会もあった。