宮古崎展望台にバイオトイレ 大和村国直
2019年04月03日
地域
奄美群島国立公園の宮古崎(大和村国直)に3月28日、環境に配慮したバイオトイレが設けられた。県道に面した駐車場から展望台まで約1・5㌔。徒歩で宮古崎を訪れる人々の利便性向上に一役買っている。
宮古崎は奄美大島有数の景勝地で、東シナ海を一望できる。2018年放送のNHK大河ドラマ「西郷どん」のロケ地として島内外で認知度が上がり、来訪者が急増した。村企画観光課によると、ドラマ放送前の17年11月に145人だった月間来訪者は18年11月に9・4倍の1316人に上った。
一方、展望台周辺に水道施設がなく、遊歩道の幅員の狭さから車両通行も困難なため通常のトイレは整備できなかった。集落にある最寄りのトイレまで約2㌔離れていたことから、現地にトイレを設置してほしいとの声が上がっていた。
トイレは展望台隣接地(延べ床面積2・8平方㍍)に洋式と男性用を備えた。水を使わずに微生物の力で排せつ物を分解する。太陽光発電で稼働し、1日に70回処理できる。総事業費は1200万円。県の地域振興推進事業を活用した。
村側は「宮古崎を利用しやすくなったことをきっかけに、多くの人に村全体の観光もぜひ楽しんでほしい」と期待を寄せた。県は、宮古崎への遊歩道入り口付近に5月をめどに、10台程度収容可能な駐車場を整備する。完成後は村が管理するという。