群島の被害量半減=松くい虫対策
2018年04月25日
地域
県のまとめによると、2017年度(18年2月末現在=民有林)の奄美群島の「松くい虫」の被害量は2万400立方メートルで前年度の4万2700立方メートルから半減した。奄美大島で被害回復が進む一方、徳之島では松枯れなどの被害が広がっている。
鹿児島市で24日に開かれた県森林審議会で報告された。それによると、県全体の被害量は前年度比84%の4万4654立方メートル。最も多かった10年度(9万3千立方メートル)の半分に減っている。
地区別では開聞岳周辺で被害が拡大している指宿(2万2320立方メートル)と奄美で県全体の9割を占める。徳之島の被害は1万9316立方メートルに上った。
奄美での対策は枯れた松を伐採し、薬剤で薫蒸する駆除が主流。薬剤の空中散布は自然への影響を考慮して行っていない。協議では駆除を進める一方、松の伐採後に広葉樹が更新される状況を見守る方針で一致した。
有人ヘリコプターを使って薬剤を空中散布する指宿、南九州両市の森林面積を決めた。松くい虫の被害で松林が減ったことを受け、伐倒駆除などの対象区域となる「高度公益機能森林」の面積を現行の3587ヘクタールから2021ヘクタールに変更した。