ツマジロクサヨトウ発生域拡大 県内24市町、奄美7町で確認
2019年08月15日
地域
トウモロコシやサトウキビなどに被害を与える害虫ツマジロクサヨトウの幼虫が県内各地で見つかり、奄美群島でも確認場所が増加している。農林水産省と県が行った調査によると、今月6日までに奄美群島の7町を含む県内24市町で発生を確認。国、県は幼虫の確認場所での農薬散布や早期収穫など防除指導を行うとともに、防除費の助成制度の周知なども図っている。
ツマジロクサヨトウはガの一種。成虫の移動距離は一晩で約100キロに達するとされ、トウモロコシやサトウキビ、イネ、サツマイモなどに産卵。幼虫の体長は約40ミリで、寄主した植物の葉や茎、実などを食い荒らす。
南北アメリカ大陸の熱帯から亜熱帯が原産で、アフリカや中国などで被害が頻発。国内では今年6月27日に南九州市で初めて幼虫が見つかった。
奄美群島で今月6日までに幼虫が確認され、防除指導が行われたのは伊仙町(防除指導日7月9日)、喜界町(同)、徳之島町(同)、和泊町(同)、天城町(同11日)、龍郷町(同12日)、知名町(同)。いずれも飼料用トウモロコシやスイートコーンの畑で、基幹作物サトウキビの畑では見つかっていない。
国や県は7月以降、県内各地で説明会を開いて関係者に初期防除を求め、農薬の購入費や散布委託費、飼料作物の撤去費などについて2分の1を上限に補助する支援制度も説明した。的確な防除で被害は抑制できると強調している。
さらに、ツマジロクサヨトウについて詳しく説明するパンフレットの作成、配布なども予定。県の担当者は「県内全ての農地を調査することは困難で、地元の人々や農家らの情報や通報が非常に重要。幼虫と疑われる虫を見つけた場合には、速やかに市町村や県、国の植物防疫所に報告してほしい」と呼び掛けている。