外来種ホテイアオイ駆除 徳之島の官民、投棄ごみも回収

2020年08月19日

地域

ホテイアオイの駆除作業=18日、伊仙町糸木名

ホテイアオイの駆除作業=18日、伊仙町糸木名

  県建設業協会奄美支部に所属する徳之島地区の8業者と徳之島虹の会は18日、伊仙町糸木名の山中で世界の侵略的外来種ワースト100に選ばれている水草「ホテイアオイ」の駆除と、不法投棄ごみの撤去作業を行った。同町きゅらまち観光課の職員なども含め約50人が参加し、奄美・沖縄の世界自然遺産登録へ向け官民連携して自然環境の保全に努めた。

 

 ホテイアオイは南米原産のミズアオイ科の多年草で、本州南部以南の各地で野生化している。栄養分の多い水域では水面を覆い尽くすほど繁殖力が強く、環境省などが2015年に策定した生態系被害防止外来種リストで、重点対策外来種に位置付けられている。

 

 作業場所は山中にあるため池と林道沿いで、奄美群島国立公園の第1種特別地域に隣接するエリア。3~4年前からホテイアオイが繁殖しているのを確認していたが、人力での作業が困難なため駆除作業を断念していた。今回は同支部から虹の会へボランティア清掃への協力提案があり、両者共催で作業を行った。

 

 作業は午前8時半に始め、建設業者らがため池に入ってホテイアオイを手作業で引き抜き、重機を使ってトラックに積み込んだ。残る参加者は道路沿いに投棄された電化製品やタイヤ、トタンなどを回収。約6時間の作業で2トントラック12台分のホテイアオイ、軽トラック45台分の投棄ごみを集めた。

 

 同支部徳之島地区の芝博次代表理事(69)は「世界自然遺産登録を推進するため、今後も建設業者ができることは協力して自然保全に努めていく」と述べた。

 

不法投棄ごみの回収作業を行う参加者ら=18日、伊仙町糸木名

不法投棄ごみの回収作業を行う参加者ら=18日、伊仙町糸木名