徳之島高、黒ウコン実証栽培開始 露地、自作発酵液の効果も検証
2019年06月01日
地域
徳之島高校総合学科生物生産系列の3年生4人は本年度、伊仙町の旧徳之島農業高校内のほ場で、露地での黒ウコン実証栽培に取り組む。2種類の苗を定植して、前年度に検証した自作の発酵液を散布しながら収量の変化を検証し、島内での普及に向けた栽培暦の確立を目指す。
黒ウコンはショウガ科バンウコン属の植物で、主に東南アジアで栽培されている。根茎はアントシアニンやポリフェノールを豊富に含み、ダイエットや滋養強壮、老化防止などさまざまな機能性が注目され、国内で健康食品が販売されている。
同校実習助手の西村盛勝さん(59)によると、低収量に悩んでいた徳之島町大原の黒ウコン生産者が2017年、同校に実証栽培を依頼。18年にハウスで実証栽培を行ったところ、1株当たり200グラムの収量が得られたことから、同学科の課題研究授業として露地での実証栽培に取り組む。
苗は前年度に育てた自家種苗と、黒ウコンジャパン㈱(京都府)が製造したバイオ苗の2種類。24日、生徒らは4列の畝に1本ずつ苗を植えた。
0・2アールのほ場周辺にはソルゴーを植えて防風対策を施し、4列のうち2列の畝には除草効果のあるマルチを設置して生育状況の違いを確認する。前年度の3年生が検証を行い、収量増に一定の効果が見られた自作発酵液を月1回程度散布し、収量に与える影響を見極める。
西村さんは「ハウスでは十分な収量が得られたが、島内で広く栽培を行うには露地での栽培暦確立が欠かせない」と話す。生物生産系列3年の若山蓮人さん(17)は「徳之島は黒ウコン栽培に適さない土地かもしれないが、そういった中で検証するのが課題研究の授業。多収量を確保できるよう頑張りたい」と語った。
黒ウコンは来年1月にも収穫される見込み。調査結果は同月以降に予定している同校学習発表会で報告する。