TAMASUに知事表彰 大和村国直のNPO

2019年05月24日

地域

表彰状を受け取る中村理事長(左)=23日、鹿児島市の県庁

表彰状を受け取る中村理事長(左)=23日、鹿児島市の県庁

 県が進める「共生・協働の農村づくり運動」の表彰式が23日、鹿児島市の県庁であり、大和村国直集落のNPO法人TAMASU(中村修理事長)など3団体が県知事表彰を受けた。TAMASUは、自然や文化など地域の特性を生かした都市農村交流による地域活性化への貢献などが評価された。表彰式で中村理事長(51)は「集落全体の誇りであり、今後の活動へよい刺激になる」と受賞を喜んだ。

 

 TAMASUは国直の青壮年団が中心となって2015年に設立した。地域の自然や文化、人々のコミュニティーなどの伝承が目的で、奄美大島の漁労や狩猟で得た獲物を平等に分配する「たます分け」と呼ばれる習慣が名前の由来。

 

 活動の柱は、住民の特技や集落の暮らしを生かした体験交流事業。「奄美大島国直集落まるごと体験交流」と題した約40種類の体験プログラムを企画し、都市部からの観光客らと交流を行っている。

 

 プログラムは若者から高齢者まで全ての年代が活躍できる内容。高齢者の生きがいづくりになっているほか、コミュニティービジネスとして雇用の場を創造し、U・Iターン者の定住促進にもつながっている。

 

 中村理事長は今後の展開について「体験型観光の取り組みを村全体に波及させながら、宿泊、体験、食が一体となった村の観光協議会づくりを進めたい。農家民泊など新たな観光の掘り起こしも視野に取り組みたい」と抱負を語った。

 

 TAMASUのほかに、高田村づくり委員会(南九州市)、柊野区公民館(さつま町)が県知事表彰を受賞。三反園訓知事は「地域を守り維持していく主役はそこに住む住民であり、今後も模範となる活動に期待したい」と述べた。