R・F・W号が寄港 沖永良部島
2020年03月15日
地域
海洋プラスチックごみ問題を訴えながら世界各国を巡っている調査船「レース・フォー・ウオーター号」が3日から知名町の知名漁港に停泊している。太陽光などの自然エネルギーを動力とした希少な船。同日と13日は船内見学もあり、参加者は自然エネルギーの持つ可能性や、海洋プラスチック問題について理解を深めた。
同船は海洋保全に取り組む「レース・フォー・ウオーター財団」(本部・スイス)が所有し、2017年から5カ年かけて世界各地を巡るプロジェクトを展開。寄港先で海洋保全に関する啓発活動を行ったり、各地の海のプラスチックごみによる汚染状況などを調査している。
船は全長約30㍍。動力源は太陽光と風と海で、化石燃料は使っていない。約500平方㍍の太陽光パネルや、高度150㍍まで揚げられる約40平方㍍のカイト(たこ)を搭載。くみ上げた海水で水素を生成し、燃料電池を介して電気に変換する装置なども備えているという。
乗組員はフランス人の男女5人。日本には2月下旬に初入国。沖縄県の石垣島を経て沖永良部島へ到着した。
船内見学では乗組員が、海岸に漂着しているプラスチックごみは氷山の一角に過ぎないことや、マイクロプラスチックは海の生き物だけでなく、巡り巡って人間の身体にも悪影響を及ぼすことなどを訴えた。
フランソワ・マーティン船長(40)は「人間はプラスチックに依存しており、これをゼロにするのは難しいが、大幅に減らすことはできる。ぜひそういう努力をしてほしい」などと話した。
国内の新型コロナウイルス感染拡大を受け、同船は航海スケジュールの調整で同港にしばらく停泊する予定。