漂着油除去に2千人=奄美市
2018年02月19日
地域
奄美群島各地の海岸で大量の漂着油が確認されている問題で、奄美市は18日、職員と住民ボランティアによる除去作業を展開した。島内外から約2千人が参加。砂にまみれた油や油の付着した漂着ごみを手作業で取り除き、市内28カ所の海岸で合わせて約40㌧を集めた。
1日から漂着した油は東シナ海沿岸を中心に広範囲に及んでいる。住民たちは「きれいな海岸線を取り戻そう」と、午前9時から約3時間の作業に汗を流した。
大浜海岸の作業に参加した東京在住の会社員、広瀬薫さん(59)は「釣りが好きで5年前から奄美に訪れている。きれいな海に戻ってほしい」と熱心に作業に取り組んでいた。
この日の午前11時の気温は奄美市名瀬で16・9度、同笠利で18・6度。漂着時に半固形状だった油が溶けだし、参加者からは「油がべたべたになり回収が難しくなっている。気温が本格的に上がる前に回収を急いだほうがいい」という声も聞かれた。
作業現場を巡回した朝山毅市長は「本当にたくさんの人々に作業に参加してもらい、奄美の自然に対する皆さんの思いを感じた。各市町村と連携しながら風評被害などが起きないよう対処していきたい」と話した。
この日は市の指定した海岸以外でもボランティアによる作業が行われた。奄美市笠利町佐仁の楠野海岸では、島内のサーファーら約30人が油を回収。まとめ役の碇山勇生さん(33)は「油もだが海外からの漂着ごみの量がすごい。この光景を観光客が見たらがっかりすると思う」と海の状態を憂いていた。