芭蕉布の復活を 奄美市
2019年06月02日
社会・経済
芭蕉繊維研究会の設立総会が5月29日、奄美市名瀬の奄美大島商工会議所会議室であった。染織業関係者など14人が参加し、芭蕉布の復活に向けた設立趣旨を確認。会長に㈱みなみ紬(奄美市)代表取締役社長の南修郎氏を選出した。
同研究会は、奄美群島に受け継がれてきたイトバショウの栽培管理や繊維の回収方法などの技術を途上国などで生かし、持続可能な開発目標(SDGs)の達成に寄与するとともに、低価格でバショウ糸を調達し、商品開発を推進。2025年に大阪府で開催される「大阪・関西万博」で効果的に発信することなどを目的とする。
総会では、会則や役員を決めたほか、今後の活動計画として、▽フィリピンからバショウ糸10㌔を輸入し、商品開発を進める▽研究対象国ミャンマー政府との交渉―などを確認した。南会長はあいさつで、「高価な芭蕉布を普及させるのは大変。伝統を守るというのも大事だが、現代風にアレンジしていくことも必要だと思う」と語った。
ミャンマーで織物工房を立ち上げ、後進の育成や販売などを行っているピュイ・テェインさんが同国の織物事情について講話。「ミャンマーでは雨期(5~10月)以外の仕事がない。奄美では芭蕉布を作る人が少なくなっているので、ミャンマーで糸の取り方を教えてもらえればできるかと思う。皆さんとどうつながっていけるのかを話し合っていきたい」と話した。
会長以外の主な役員は次の通り。(敬称略)
▽副会長 越間巽、鈴木進一▽監事 内山初美