紬着用率、微増の24・5% 20年奄美群島成人式
2020年01月13日
社会・経済
本場奄美大島紬協同組合(前田豊成理事長)は10日までに、奄美群島14市町村・地区の2020年成人式大島紬着用率をまとめた。全体では前年より1・4ポイント高い24・5%(男性25・3%、女性23・7%)だった。
市町村別では主産地の北大島を中心に奄美大島で高い傾向にあり、奄美市や龍郷町では17年度に導入した紬購入助成制度の効果が表れたとみられる。地区別では龍郷町がトップだった。
調査は13年から紬協組が各市町村に依頼してまとめ、公表している。
今年の成人式出席者は1052人(男性546人、女性506人)。うち紬着用者は258人(男性138人、女性120人)で、男性はおよそ4人に1人が紬姿で臨んだ計算になる。
市町村別の着用率をみると、最高は「龍郷柄」「秋名バラ」発祥の地である龍郷町の81・5%。男物紬の産地として知られる奄美市笠利地区が80・8%で続いた。
業者や織り技術者の少ない喜界島、徳之島、沖永良部島、与論島の7町はいずれも1桁台で推移した。
前田理事長(63)は「着用率向上は紬業界や行政含め群島民皆さんの頑張りのおかげ。最近は日本国内で和装文化を見直す機会が増えている。着物全体をPRして盛り上げていけば、高い技術で作られている本場奄美大島紬も、より多くの世代に浸透していくのではないか」と話した。