クロウサギをパクリ ハブが幼獣のみ込む 奄美大島
2018年05月08日
奄美大島の山中で6日午前0時半ごろ、国の特別天然記念物アマミノクロウサギをハブがのみ込もうとしている珍しい光景が目撃された。奄美市名瀬の西真弘さん(45)が森の生き物を観察するナイトツアー中に遭遇し、カメラに収めた=写真。
西さんは奄美マングースバスターズで活動する傍ら、自然ガイドとして観光客らを案内している。この日は東京から訪れた家族連れと散策中に、アマミノクロウサギを見つけて観察していた。
「ライトを当てても逃げず、足踏みを続けるので何かおかしいと思った」と西さん。すぐそばに目を向けると、幼獣とみられる別のクロウサギの頭に食らいつく体長1・7メートルほどのハブを発見。足踏みをしていたのは幼獣の母親と思われる。5分ほど撮影していると、ハブはクロウサギをくわえたまま山中に消えていったという。
西さんは「ハブがクロウサギを食べた記録があるのは知っていた。本当に見ることができてびっくりした」と驚き、「奄美大島ではハブが生態系の頂点に立っている。独特な生態系の魅力を再認識した」と話した。