喜界島でスズメバチ初確認
2021年08月26日
喜界島で25日までに、これまで島に生息していないとされていたスズメバチが初確認された。見つかったのはコガタスズメバチ。環境省奄美野生生物保護センターは「喜界島は分布域ではないため、女王バチが貨物に紛れて持ち込まれたか、奄美大島から風に乗って飛んできた可能性が考えられる」としている。
喜界町企画観光課によると、過去にも島内でスズメバチとみられるハチの目撃情報があったが、個体を調べて特定したのは今回が初めて。駆除の記録もないという。
今月10日、花良治集落の外れの山の中腹付近で草刈りをしていた男性がハチに手を刺され、役場に連絡があった。スズメバチの可能性があるとして、現地で町職員が巣を確認。14日に業者が駆除作業を行った上で、個体サンプルを同センターに送り同定を依頼した。専門家の見解も踏まえ、25日までにコガタスズメバチであることが確認された。
コガタスズメバチは日本各地に広く分布し、奄美大島や徳之島などにも生息する。働きバチの体長は2・2~2・9㌢ほど。住宅の軒下や生い茂った樹木の枝などに好んで営巣する。
駆除作業を行ったヨネダしろあり(同町佐手久)の米田信也さん(56)によると、見つかった巣はボール型で高さが約40㌢、周囲が約25㌢あり、成虫約40匹と幼虫約200匹を駆除した。米田さんは「アシナガバチなどはいるが、スズメバチは喜界にいないと思っていた。16年間島で駆除の仕事をやっていて、今回の出来事は衝撃だった」と話した。
同課は23日、防災行政無線で注意喚起するとともに、ハチの巣を発見した際の情報提供を町民に呼び掛けた。町では今後、トラップを設置するなどしてコガタスズメバチの生息調査を行う方針だ。