島の現状と課題学ぶ 3町の職員が特別講話 徳之島高校
2021年06月25日
子ども・教育
県立徳之島高校(玉利博文校長、生徒248人)で24日、自治体職員を講師に招いた特別講話「知徳(しっとく)」があった。3町の職員計7人が徳之島の現状と課題をテーマに講話。生徒らは自身の将来の問題として徳之島の抱える問題について考えを巡らせた。
講話は徳之島の魅力や課題のほか、各自治体の課題への取り組みを聞き、生徒自身が島の現状を包括的に知ることが狙い。総合的な探究の時間を利用して2年生約90人が受講した。
3町職員はアマミノクロウサギなどの希少な野生動植物や闘牛文化など、島内の多彩な観光資源の可能性について紹介した一方で、少子高齢化や地方経済の疲弊、環境保護など、現在直面している問題についても言及。ふるさと納税の活用など課題解決のための取り組みも紹介した上で、将来も向き合わなければならない問題として生徒たちに投げ掛けた。
各町職員の講話の後には、生徒からの質問の機会も設けた。「自然を守るため私たちにできることは」との質問に対し、伊仙町きゅらまち観光課の関政樹さんは「まず学ぶこと。希少な動植物や文化でも、自身が知らなければ守ることも、他人にその価値を説明することもできない。私たちのふるさとについてお互いもっと勉強しよう」と呼び掛けた。
将来は保育士になりたいという上川ちひろさん(16)は「天城町職員の講話の中で、私がまったく知らない植物があり、まだまだ知らないことだらけだと分かった。ふるさとのことをしっかり説明できる大人になるためにも、もっと積極的に島のことを学んでいきたいと思った」と感想を述べた。