おがみ山トンネル再開に前向き/三反園知事「地元の理解」見極め
2018年02月28日
政治・行政
三反園訓知事は27日、事業を凍結していた国道58号おがみ山トンネル(奄美市名瀬真名津町―名瀬永田町、延長約1・2㌔)の本体工事に向けて前向きな姿勢を示した。同日の県議会3月定例会で向井俊夫議員(自民、奄美市区)の一般質問に答えた。
おがみ山バイパス事業は渋滞緩和や災害対応の強化などを目的に1998年度に都市計画決定し、2002年度に着手した。だが、「地元の合意形成が不十分」(県道路建設課)などの理由から伊藤祐一郎前知事が09年12月、トンネル工事の先送りを表明した。
県は奄美大島南部の網野子バイパス(瀬戸内町勝浦―奄美市住用町役勝)を先行して整備した。集中豪雨で大和村の道路が寸断され、災害対応で宮古崎トンネル(奄美市名瀬根瀬部―大和村国直)の事業化を優先。宮古崎トンネルは20年度までに掘削工事が終了する。
三反園知事は答弁で奄美市の朝山毅市長が早期の事業推進を求めているとし、「交通混雑の緩和などのためにトンネル整備は必要。多額の費用を要するが、既存事業の進捗(しんちょく)状況を見極め、地元の理解が得られれば前向きに進めたい」と語った。
県は住民説明会の開催も念頭に奄美市と連携して事業化の可能性を探る。朝山市長が21日、県に事業推進を求める要望書を提出。奄美市議会は17年の3月定例議会で事業の早期再開を求める意見書を可決していた。
県道路建設課は同市の要望を「重く受け止めている」とする一方、「地元の理解が得られれば早い機会に(用地交渉や計画策定などに)着手するが、住民の意向を見極める必要がある」ともしている。