秋の叙勲、奄美から5氏 県内受章者は62人
2018年11月03日
政治・行政
内閣府は2018年秋の叙勲受章者を3日付で発表した。鹿児島県内の受章者は旭日章19人(うち女性1人)、瑞宝章43人(同6人)の計62人。
奄美群島在住者では元知名町長の平安正盛さん(72)=知名町知名=に旭日小綬章、元喜界町議会議長の中島智一さん(75)=喜界町塩道=に旭日双光章、元和泊町古里字区長の川村秀文さん(78)=和泊町古里=に旭日単光章、保護司の上島辰代さん(76)=喜界町早町、元与論町助役の大田元茂さん(78)が瑞宝双光章をそれぞれ受章する。発令日は3日。
① 町の財政再建に手腕発揮
=平安正盛氏(72)/旭日小綬章(地方自治功労)
「天皇皇后両陛下が昨年、沖永良部島をご訪問された後のタイミングでの受章を光栄に思う。5期20年間、町政に携われたのは家族をはじめ町民の皆さんの支えがあればこそ。あらためて感謝したい」
中央大法学部卒。町役場を退職後、1997年に町長初当選。連続5期20年務めた。「人間、資源、財源」を基本理念に町の財政再建に手腕を発揮。農業振興では国営地下ダムの事業採択に尽力した。県町村会長、大島郡町村会長など歴任。知名町知名。
② 貴重な経験、周囲に感謝
=中島智一氏(75)
旭日双光章(地方自治功労)
「(受章の知らせに)とても驚いた。周囲の方々の支援のおかげであり、苦労をかけた妻にも感謝したい。地域の先輩の後を継いで議員になったが、とても貴重な経験だった。住民の意見を反映させて議員定数も削減した」
喜界高校中退。地元の建設会社勤務などを経て、2000年11月に喜界町議会議員に初当選。16年10月まで連続4期16年のうち、議長を2期8年務めた。16年2月には全国町村議会議長会会長表彰を受賞。喜界町塩道。
③ 地域の人の支えに感謝
=川村秀文氏(78)/旭日単光章(地方自治功労)
「思いもよらぬ受章に驚いている。区長を(延べ)18年間も続けられたのは地域の人の支えがあったから。農業でも、区長の仕事でも本当に周りの人に恵まれた。私一人の受章ではなく、皆さんに感謝したい」
和泊町立城ケ丘中卒。1993年から13年までに延べ18年間、古里字区長。土地改良事業などで地域住民の合意形成に尽力。バレイショ専作農家で町園芸振興会長も18年務めた。08年に黄綬褒章受章。同町古里。
④ 常に素直な気持ちで
=上島辰代氏(76)
瑞宝双光章(更生保護功労)
「思いもよらない受章の知らせにとても驚いた。最初は保護司を続けられるか心配だったが、もう23年になる。対象者には常に素直な気持ちで接することを心掛けた。これからも社会に少しでも貢献していきたい」
関西女子育成総合学院卒。大阪市などで民間会社勤務を経て喜界島に帰郷。1995年から北大島保護区保護司。保護司として2007年に九州地方更生保護委員会委員長表彰、14年には法務大臣表彰を受賞。喜界町早町。
⑤ 福祉の向上に一層努力
=大田元茂(78)瑞宝双光章(地方自治功労)
「受章は身に余る光栄。良き先輩、同僚に恵まれ町民の皆さんの協力をもらいながら仕事ができたことに感謝したい。叙勲を励みとして、現在取り組んでいる町の福祉向上に一層努力したい」
鹿児島西高卒。1960年与論町役場に入庁し教育委員会総務、産業、税務、総務、町民福祉の各課長を歴任。99年9月に退職して翌月から2期8年間、町助役。火葬場建設など町の公共事業や財政健全化に手腕を振るった。町社会福祉協議会長、同町朝戸。