水墨画で奄美の自然を表現 曽さん東京銀座で個展
2018年04月02日
地域
奄美の自然をモチーフにした作品でも知られる水墨画家の曽勤さんの個展「一花一世界」が3月27日~4月1日、東京・銀座の画廊であった。奄美大島の植物などを描いた約40点を出品。かれんな生命を鮮明に描いた水墨画の世界が注目を集めた。日中友好条約締結40周年に水墨画で「花」を添えた。
曽さんは中国・重慶生まれ。幼少の頃から中国画壇の重鎮だった父親の令富さんの手ほどきを受けた。中国では二つの美術専門大学で学んだ。1992年に来日。現在は群馬県のアトリエを中心に活動している。奄美大島でも展覧会を開催したことがある。
今回は奄美の植物を描いた作品が中心。島の温度や湿度、花の生命力を鮮明に描いた。空間を利用した作品も目を引いた。
曽さんは「水墨画を通じて日本の皆さんと交流を続けてきた。今年は日中平和友好条約締結から40周年。これからも国境を超えて、一歩一歩地道な国際交流を続けたい」と述べた。
さらに、以前、県奄美パーク・田中一村記念美術館で開催した展覧会にも言及。「奄美パークでは、島の皆さんとの交流が楽しかった。また会えることを楽しみにしている。素晴らしい自然、温かい奄美の皆さんが大好きです」と笑顔を見せた。
個展を後援した中華人民共和国・駐日本国大使館文化部の陳諍参事官は「水墨画を通じ、両国民の交流と友好に取り組む曽さんの理念は、作品でも貫かれている。高く評価したい」と述べ、活動をたたえた。
来場者からは「一輪の花を一つの世界に例えた表現が素晴らしい。花を生かすも殺すも私たち人間の心次第。思いやる心を大切にしたい」との声が寄せられた。