陸自奄美警備隊きょう発足
2019年03月26日
地域
島しょ部の防衛態勢の強化を担う陸上自衛隊奄美警備隊が26日、発足する。中国の海洋活動範囲の拡大や、北朝鮮の核・ミサイル開発などの動きを念頭に、政府は国防の最前線として、これまで陸自空白地帯だった奄美大島に、奄美駐屯地(奄美市名瀬大熊)と瀬戸内分屯地(瀬戸内町節子)を配備。合計約560人の隊員が島しょ防衛に就く。
奄美警備隊は第8師団の1個部隊と西部方面隊の直属部隊の役割を同時に担う「平素隷属」と呼ばれ、奄美駐屯地には約350人、瀬戸内分屯地には約210人の隊員を配置。いずれも広域監視や武装ゲリラ侵攻への初動対応、災害派遣などを担う警備部隊を置く。
奄美駐屯地には重要地域の防空が使用目的の中距離地対空誘導ミサイル(中SAM)部隊を装備。瀬戸内分屯地には島しょ部への侵攻を洋上で阻止するための地対艦誘導ミサイル(SSM)部隊が配備される。両施設とも、場外離着陸場、射撃場、給油所、弾薬庫を備える。
発足に関し、岩屋毅防衛相は22日の記者会見で「日本の守りの最前線は南西地域。奄美、瀬戸内に部隊を開設することで守りの空白地帯が埋まっていき、災害を含む各種事態に対する初動対応、迅速な展開が可能になる」と話した。
30日は午前10時から瀬戸内町古仁屋市街地で瀬戸内分屯地の開設記念市中パレードが行われる。31日は午前9時半から奄美駐屯地で開設行事があり、防衛省幹部や陸上幕僚幹部が出席予定。
31日午後0時25分から、航空自衛隊のアクロバット飛行隊「ブルーインパルス」が奄美市の名瀬港上空を中心に10分程度展示飛行を実施する。