「与論の海100年先も守る」 水とサンゴのフォーラム
2019年12月03日
地域
環境省と与論町主催の「ヨロン 水とサンゴのフォーラム」が11月30日、同町の地域福祉センターであった。関係機関団体の代表や住民ら島内外から約150人が参加。地元の子どもたちによる海洋環境の保全の取り組み発表と専門家の講演があり、今後のサンゴ保全活動に向けた情報と課題を共有した。
初めに茶花小の5年生が、地元漁協などと協力して実施している、▽サンゴを増やそうプロジェクト▽環境にやさしい洗剤作り▽環境保全PR大作戦―など海洋環境を守る取り組みを発表した。
児童らは啓発用パンフレットの作成など今後の活動目標も紹介し、「私たちの大好きな与論の海を10年、100年先もずっと守りたい。自分たちの小さな1歩から始める」と締めくくった。
B&G海洋クラブは、サンゴ礁など海の環境や海洋生物の生息状況の確認(コーラルチェック)など、メンバーが実施している活動を紹介。発表者は「サンゴ礁の海にすむ生き物も、その数も毎年変化しておりコーラルチェックを今後も継続していくことが大事」と述べた。
後半は「与論島の水と私たちの暮らし」と題し、琉球大学農学部の中野拓治客員教授が講演。水の大切さを説く一方、島の農業・畜産業が水に及ぼす課題にも言及し、「島全体で海を汚さない努力をする必要がある」と訴えた。
同大学の土屋誠名誉教授はサンゴ礁がもたらす海の恵みと、環境省の「サンゴ礁生態系保全行動計画」などについて説明した。