奄美群島に津波警報 小湊で最大1.2㍍ 奄美大島で男女2人軽傷 深夜の避難に混乱
2022年01月17日
地域
南太平洋のトンガ諸島付近で発生した大規模な火山噴火に伴う潮位の変動で、気象庁は16日未明、奄美群島とトカラ列島に津波警報を発令した。警報発令前の15日午後11時55分、奄美市名瀬小湊で1・2㍍の潮位の上昇を観測。奄美9市町村の約4万7000世帯・約8万5000人に警戒レベル4に相当する避難指示が出された。奄美市と瀬戸内町の男女2人が避難中に軽いけがをした。16日午後5時現在、建物や漁船などへの被害は報告されていない。奄美関係の海、空のダイヤが乱れたほか、深夜に高台へ避難する車で渋滞するなど各地で混乱が生じた。
トンガ諸島付近の火山噴火は15日午後1時10分ごろ(日本時間)に発生。気象庁は16日午前0時15分、奄美群島とトカラ列島に津波警報、太平洋沿岸の各地に津波注意報を発令し、沿岸部から高台など安全な場所へ直ちに避難するよう呼び掛けた。潮位の上昇は奄美市名瀬小湊で国内最大となったほか、同市名瀬港で16日午前1時2分に0・3㍍を観測した。
奄美群島とトカラ列島の津波警報は午前7時半に注意報に切り替わり、午後2時に全て解除された。
奄美群島に津波警報が発令されたのは、2011年3月11日の東北地方太平洋沖地震以来。同日午後に奄美市名瀬小湊で1・1㍍、名瀬港で0・4㍍の津波を観測した。
1960年5月24日には、南米チリ沖で発生した大地震に伴い、奄美市名瀬に4㍍超と推定される津波が襲来。奄美大島で住家の浸水が1400戸以上に上ったほか、堤防の決壊や橋、船の流出など甚大な被害が出た。