軽石が大量漂着 海底火山噴火が影響か 1200キロを漂流 喜界島
2021年10月12日
地域
喜界島の東海岸に大量の軽石が漂着していることが10日までに分かった。住民が確認した。軽石は大きなものでこぶし大。志戸桶の海岸では一面に広がっている。鹿児島地方気象台は小笠原諸島の海底火山・福徳岡ノ場(ふくとくおかのば)が8月に噴火した影響で軽石が漂着したとみている。喜界島と海底火山とは直線距離にして約1200キロ。喜界町役場は「これほど大量の軽石が漂着したのは初めてではないか」と話している。
漂着を確認した同町文化財保護審議会の外内淳会長(62)によると、同日午前、住民から連絡があり、島の東側に足を運んだ。志戸桶集落沖名泊から早町、花良治地区で大量の軽石が漂着、漂流しているのを見つけた。灰色で重さは50~60グラム、水分を含んだものは80グラムほどあった。大きさは7~8センチが多く、こぶし大のものも。
福徳岡ノ場の噴火に伴う軽石の漂着は沖縄・北大東島でも10月4日に確認されている。外内さんは「沖縄で見つかったことをニュースで見たので気になっていた。小笠原諸島から喜界島まで2カ月かけて海を漂ってきたことに驚いた」と話した。
鹿児島気象台によると、喜界島の軽石は「福徳岡ノ場の噴火による可能性が高い」。1986年1月の噴火でも琉球列島や四国で軽石の漂着が確認されている。2カ月間、海を漂っていたこともあり、害があるとは考えにくいという。
喜界町役場の中村幸雄・企画観光課長は「住民から情報提供があった。喜界島に大量の軽石が漂着したのは初めてではないか。今のところ、漁業や養殖への被害は特にない。住民から除去の要望も出ている。協議して対応したい」と話した。