防災グッズ売れ行き好調 津波警報、購買行動に反映 奄美大島の量販店

2022年02月01日

地域

津波警報発令後からよく売れているという携帯トイレなどの防災関連グッズ=1月31日、龍郷町のビッグⅡ奄美店

奄美群島では1月16日未明に津波警報が発令され、多くの島民が高台などへ避難を余儀なくされたことで、防災関連商品への関心が高まっている。缶詰などの保存食や、携帯トイレなどに加え、車中避難をより快適にするためのカー用品の売れ行きが好調だ。津波警報を機とした防災意識の高まりが、島民の購買行動にも表れている。

 

龍郷町の大型量販店「ビッグⅡ奄美店」(松浦能久店長)では津波警報以降、寝袋や防寒のためのアルミ製保温シートなどが多く売れた。主に海水浴シーズンに売れるというエアー(空気)ベッドを避難用として買う人も。またカセットコンロなどを使うためのガスボンベも在庫が減ったという。

 

携帯トイレは凝固剤や消臭剤が入った袋タイプの商品。同店では携帯トイレを外で使用する際のプライバシー(小型)テントや、リュックサックに防災グッズ一式を詰め合わせた「防災セット」も勧めている。

 

家電製品コーナーでは情報収集のためのラジオや懐中電灯、乾電池などを手に取る客が多かった。食品売り場ではカンパン、缶詰、お湯で温めて食べられる白米ご飯、カレーなどのレトルト食品が売れ筋。特に賞味期間が5年と長く、温めずに開封して食べられるレトルトカレーなどが人気という。

 

津波警報の際は車で避難し、そのまま車内で一夜を明かした人も少なくなかった。カー用品コーナーでは、車に備え付けの「シガーソケット」に対応した、スマートフォンやノートパソコン、携帯ゲーム機などの電子機器を充電できる車用の接続ケーブルが売り上げを伸ばした。

 

また車内シートで長時間座ったり、寝たりしやすいよう腰や背中、首元に当てるクッション系の商品を購入する人も多かった。

 

カー用品売り場の担当者は「長時間、同じ姿勢を続けるとエコノミー症候群を引き起こす危険がある。車中避難をする場合、その点も十分に気を付けるようお願いしたい」と話した。